書評を書きました。
この本を読んで、2011年は海外に
たくさん行きたくなりました
(時間のやりくりしないとですね・・・)。
良いきっかけを頂いたことに感謝。
著者の経歴が非常にユニークである。
世界中を旅する傍ら農場とワイナリーを経営し、
世界各地から種を取り寄せて栽培した野菜を料理して
自らのカフェ で提供する。
一方、毎年個展を開催する画家でもあり、
多数の著書を持つエッセイストとしても広く活躍している。
「野菜が大好きで、 毎日おそらく人の三倍から五倍の量を食べている」
一方、毎年個展を開催する画家でもあり、
多数の著書を持つエッセイストとしても広く活躍している。
「野菜が大好きで、
(4項)という著者が展開するのは、地球単位の壮大な歴史と旅の物語。
野菜をキーワードに、世界各国の食文化や関連するエピソードが
縦横に紡ぎ合わされているのが、本書の魅力と言える。
例えば、フランス人はフルコースの食事に三時間かける中で
「一時間半がデザートを食べている時間」(233項)であるという。
「デザートからが後半戦」なのは、砂糖がかつての王侯貴族にとって
富と権力の象徴だったことが起源となっている。
新大陸の発見前はコショウが中世ヨーロッパにおいて
富と権力の象徴だったが、ルネサンス期を境に、
上流階級の嗜好はコショウから砂糖へと移っていく。
ところがアラブ商人に砂糖の流通ルートを押さえられた
ヨーロッパ諸国は、新大陸の発見に伴い
野菜をキーワードに、世界各国の食文化や関連するエピソードが
縦横に紡ぎ合わされているのが、本書の魅力と言える。
例えば、フランス人はフルコースの食事に三時間かける中で
「一時間半がデザートを食べている時間」(233項)
「デザートからが後半戦」なのは、
富と権力の象徴だったことが起源となっている。
新大陸の発見前はコショウが中世ヨーロッパにおいて
富と権力の象徴だったが、ルネサンス期を境に、
上流階級の嗜好はコショウから砂糖へと移っていく。
ところがアラブ商人に砂糖の流通ルートを押さえられた
ヨーロッパ諸国は、
西インド諸島に生産拠点を拡充する。
この大量生産により、砂糖は特別な富裕層でなくとも手の届く
この大量生産により、
嗜好品に近づいていった。
そして今度は英仏間の争いの中で、大陸封鎖をきっかけに、
ナポレオンが砂糖の自国生産を一気呵成に展開する。
これらの経緯を経て、砂糖の価格は一般の手に届くレベルにまで落ち着いたが、
遡ると「争いの中心にあるのはつねに砂糖だった」(231項)
そして今度は英仏間の争いの中で、大陸封鎖をきっかけに、
ナポレオンが砂糖の自国生産を一気呵成に展開する。
これらの経緯を経て、
遡ると「争いの中心にあるのはつねに砂糖だった」(231項)
本書の冒頭に、「野菜を食べることは、
その野菜が持つ物語を食べることだ」(5項)とある。
歴史や物語に思いを馳せながら、
日々の食事はもっと豊かな時間になるのではないだろうか。
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